ベルギー在住栗田路子さん

今月の「ひと・人@広場」はベルギー在の栗田さんをご紹介いたします。栗田さんは、執筆、翻訳、コーディネーターなどの本業だけでなく、草の根的に、震災孤児を助けるため、「負けるな、ニッポン」チャリティ・ブレスレット・プロジェクトを立ち上げ、日本円にして約107万円以上(10200EUR)を被災した岩手県大船渡にある養護施設、大洋学園に送る活動をされています。

【やほい】ベルギーといえば、デクシアの経営破綻という国家的経済危機に直面している話題の国で、いろいろと伺いたいことはたくさんあるのですが、今回は、栗田さんという「人」を紹介する意味でも、「『負けるな、ニッポン』チャリティ・ブレスレット・プロジェクト」活動を中心に伺いました。

まずは栗田さんがベルギーに行き着くまでの経緯を簡単に教えていただけますか?

【栗田】わあ、これは大変。

上智の学部学生時代に一年間のアメリカ体験はしたものの、日本で大学を出て、ごく普通の就職・結婚へとコマを進めていたのですが、29歳で前夫が急逝し、未亡人に。まだバツイチなんて言葉もない、均等法以前の時代でしたので、30を過ぎた未亡人の船出に、日本の世間は冷たかったのです。それで、新たなスタートをかけて、アメリカ再留学のために猛勉強を開始。その頃、日本で、後に再婚することになるベルギー人と知り合いました。アメリカに向かう途中、まだ見ぬヨーロッパに立ち寄り、観光していたベルギーでアクシデントがあり、アキレス腱全断。そのベルギー人にすっかり世話になりまして、その後、なんとか渡米して勉強していたのですが、今度は結核にかかってしまっていることが判明。治療のためにアメリカを出なければならないとき、ベルギーにおいでと呼んでくれたのが、今の夫です。

ご清読ありがとうございました。

【やほい】いやいや、のっけからドラマちっく!(苦笑) 実は、栗田さんが初めて「海外在住メディア広場」に登録を希望されてきたときから、私は栗田さんには、「正義の味方、弱い者の味方」という印象を強く持っています。

そして、原発事故直後の大本營的な日本の姿勢に怪訝な態度を示されたり、震災復興支援のための活動を精力的にされていることなどから、私の直感はけっこうあたっていると思っているんですよ。

その後、どんな活動をされているのかお聞きしてもいいですか?

【栗田】あら、それはうれしい。ありがとうございます。弱き者の味方「みっちゃん」は、物心ついた頃からの私のキャラで、母親譲りです。でも、この生き方を意図的に選んだのは、養子にもらった息子が重度心身障害児であることが判明し、悶絶するような葛藤の中にいた頃、さまざまな心ある人々に助けられ、生かされてきたからだと思います。「助けを求められたら、受けて立つ。得意なやり方で助ける。批判は毅然として受ける」と。

震災直後は、皆さんと同じように、情報収集と日本の親族・友人への情報フィードバックに追われていました。その後、チャリティーバザーやオークション、コンサートなどの企画運営に怒涛のように巻き込まれていましたが、ある日、朝日新聞に載った「震災孤児の愛海ちゃん」の写真に絶句。同時に、世界中から集まった数千億円とも言われるお金を、公平性や透明性にこだわりすぎて、必要とするところに分配できない赤十字などの大組織にうんざり。それなら、私を信用してもらい、私一人で計画し、寄付先をきめられる草の根チャリティ企画を起こそう。愛海ちゃんのような被災した子どもを少しでも支援するために、ここの子ども達が連帯感を持って行動できるようなツールを作ろう―と考えて、企画したのが、「負けるな、ニッポン」チャリティ・ブレスレット・プロジェクトです。

中学生の娘が、諸々のメッセージの印刷された、色とりどりのシリコン製のブレスレットをしているのを見ていたので、なるべくお金をかけず、一人何個も買いたくなるようなカラフルなブレスレットを作って販売し、収益金を寄付するというプロジェクトにしようと思い立ち、即刻制作に入りました。

【やほい】なるほどねぇ。実は私も、ニュースを読み、実態を知れば知るほど、大組織の不透明さを疑ってしまう自分に葛藤を持ちました。寄付をしたい気持ちがあっても、そのお金がほんとうに、自分の思っているところに“正しく”流れていくのか?と考えてしまいます。

しかし、弱い者の味方「みっちゃん」は、葛藤を持ったところで終わらず、それなら透明な流れを作ってしまうわけですね。さすがです。

【栗田】『かつて、ベルギービールの販促用にもろもろのガジット作りに協力してくれたシンガポールの中国人業者に頼めば、きっと早く安く作れるに違いない。売値は子ども達が売りやすい1コイン(2EUR)に押さえ、売ったお金が丸々寄付となる構図を作るには、コストをカバーしてくれるスポンサーを募ろう。寄付先は、子ども達に理解しやすい被災した孤児院(正式には、児童養護施設)を探そう。グラフィックデザイナーの友人に頼んで、子ども達が売るときに使いやすいポスターを、仏蘭英語で何通りか作って、ブレスレットと同時に提供しよう。学校、ボーイスカウト、スポーツクラブなどに働きかけて、チャリティアクションとしてオーソライズしてもらえば、子ども達は動きやすいはず…』

大洋学園
大洋学園

こうしていくつかのスポンサーを見つけ、学校を巻き込み、学校が夏休みに入る6月末までに、子ども達が中心になって売ってくれたブレスレットは約4000個、約8000EUR(そのほかの寄付金2200EURをあわせて合計10200EUR)の寄付を岩手県大船渡の大洋学園(児童数45人)に届けることができました。がんばってくれた子ども達からの「自筆メッセージや写真のコラージュ」と、「負けるな、ニッポン」ブレスレットの現物を人数分添えて。お返しに、大洋学園の子ども達からのメッセージや写真がようやく届いたところです。

私が夏から膝を故障し、親族の健康上の問題などもあって、9月からの第二期スタートは遅れていますが、ようやく新たなスポンサーも見つかって、シンガポールに新色ブレスレットも発注済み。クリスマスのチャリティーシーズンには、もう一度、「震災被災者はまだまだ支援が必要!」と訴えて、もう一度キャンペーンを張るつもりです。

大洋学園から届いたお礼のVサイン
大洋学園から届いたお礼のVサイン

シアトルの鈴木さん私もがんばってますよ!

【やほい】すばらしい!微力ですが、私もキャンペーンのお手伝いさせて下さいね。

■本件に関するお問い合わせ—–★★★栗田路子さん★★★
「負けるな、ニッポン」チャリティ・ブレスレット・プロジェクト ポスターダウンロード

http://mediahiroba.com/wp-content/uploads/kurita_belguim_2-490x225.jpghttp://mediahiroba.com/wp-content/uploads/kurita_belguim_2-490x225-150x150.jpgyahoiひと・人@広場ベルギー在住栗田路子さん 今月の「ひと・人@広場」はベルギー在の栗田さんをご紹介いたします。栗田さんは、執筆、翻訳、コーディネーターなどの本業だけでなく、草の根的に、震災孤児を助けるため、「負けるな、ニッポン」チャリティ・ブレスレット・プロジェクトを立ち上げ、日本円にして約107万円以上(10200EUR)を被災した岩手県大船渡にある養護施設、大洋学園に送る活動をされています。 【やほい】ベルギーといえば、デクシアの経営破綻という国家的経済危機に直面している話題の国で、いろいろと伺いたいことはたくさんあるのですが、今回は、栗田さんという「人」を紹介する意味でも、「『負けるな、ニッポン』チャリティ・ブレスレット・プロジェクト」活動を中心に伺いました。 まずは栗田さんがベルギーに行き着くまでの経緯を簡単に教えていただけますか? 【栗田】わあ、これは大変。 上智の学部学生時代に一年間のアメリカ体験はしたものの、日本で大学を出て、ごく普通の就職・結婚へとコマを進めていたのですが、29歳で前夫が急逝し、未亡人に。まだバツイチなんて言葉もない、均等法以前の時代でしたので、30を過ぎた未亡人の船出に、日本の世間は冷たかったのです。それで、新たなスタートをかけて、アメリカ再留学のために猛勉強を開始。その頃、日本で、後に再婚することになるベルギー人と知り合いました。アメリカに向かう途中、まだ見ぬヨーロッパに立ち寄り、観光していたベルギーでアクシデントがあり、アキレス腱全断。そのベルギー人にすっかり世話になりまして、その後、なんとか渡米して勉強していたのですが、今度は結核にかかってしまっていることが判明。治療のためにアメリカを出なければならないとき、ベルギーにおいでと呼んでくれたのが、今の夫です。 ご清読ありがとうございました。 【やほい】いやいや、のっけからドラマちっく!(苦笑) 実は、栗田さんが初めて「海外在住メディア広場」に登録を希望されてきたときから、私は栗田さんには、「正義の味方、弱い者の味方」という印象を強く持っています。 そして、原発事故直後の大本營的な日本の姿勢に怪訝な態度を示されたり、震災復興支援のための活動を精力的にされていることなどから、私の直感はけっこうあたっていると思っているんですよ。 その後、どんな活動をされているのかお聞きしてもいいですか? 【栗田】あら、それはうれしい。ありがとうございます。弱き者の味方「みっちゃん」は、物心ついた頃からの私のキャラで、母親譲りです。でも、この生き方を意図的に選んだのは、養子にもらった息子が重度心身障害児であることが判明し、悶絶するような葛藤の中にいた頃、さまざまな心ある人々に助けられ、生かされてきたからだと思います。「助けを求められたら、受けて立つ。得意なやり方で助ける。批判は毅然として受ける」と。 震災直後は、皆さんと同じように、情報収集と日本の親族・友人への情報フィードバックに追われていました。その後、チャリティーバザーやオークション、コンサートなどの企画運営に怒涛のように巻き込まれていましたが、ある日、朝日新聞に載った「震災孤児の愛海ちゃん」の写真に絶句。同時に、世界中から集まった数千億円とも言われるお金を、公平性や透明性にこだわりすぎて、必要とするところに分配できない赤十字などの大組織にうんざり。それなら、私を信用してもらい、私一人で計画し、寄付先をきめられる草の根チャリティ企画を起こそう。愛海ちゃんのような被災した子どもを少しでも支援するために、ここの子ども達が連帯感を持って行動できるようなツールを作ろう―と考えて、企画したのが、「負けるな、ニッポン」チャリティ・ブレスレット・プロジェクトです。 中学生の娘が、諸々のメッセージの印刷された、色とりどりのシリコン製のブレスレットをしているのを見ていたので、なるべくお金をかけず、一人何個も買いたくなるようなカラフルなブレスレットを作って販売し、収益金を寄付するというプロジェクトにしようと思い立ち、即刻制作に入りました。 【やほい】なるほどねぇ。実は私も、ニュースを読み、実態を知れば知るほど、大組織の不透明さを疑ってしまう自分に葛藤を持ちました。寄付をしたい気持ちがあっても、そのお金がほんとうに、自分の思っているところに“正しく”流れていくのか?と考えてしまいます。 しかし、弱い者の味方「みっちゃん」は、葛藤を持ったところで終わらず、それなら透明な流れを作ってしまうわけですね。さすがです。 【栗田】『かつて、ベルギービールの販促用にもろもろのガジット作りに協力してくれたシンガポールの中国人業者に頼めば、きっと早く安く作れるに違いない。売値は子ども達が売りやすい1コイン(2EUR)に押さえ、売ったお金が丸々寄付となる構図を作るには、コストをカバーしてくれるスポンサーを募ろう。寄付先は、子ども達に理解しやすい被災した孤児院(正式には、児童養護施設)を探そう。グラフィックデザイナーの友人に頼んで、子ども達が売るときに使いやすいポスターを、仏蘭英語で何通りか作って、ブレスレットと同時に提供しよう。学校、ボーイスカウト、スポーツクラブなどに働きかけて、チャリティアクションとしてオーソライズしてもらえば、子ども達は動きやすいはず…』 こうしていくつかのスポンサーを見つけ、学校を巻き込み、学校が夏休みに入る6月末までに、子ども達が中心になって売ってくれたブレスレットは約4000個、約8000EUR(そのほかの寄付金2200EURをあわせて合計10200EUR)の寄付を岩手県大船渡の大洋学園(児童数45人)に届けることができました。がんばってくれた子ども達からの「自筆メッセージや写真のコラージュ」と、「負けるな、ニッポン」ブレスレットの現物を人数分添えて。お返しに、大洋学園の子ども達からのメッセージや写真がようやく届いたところです。 私が夏から膝を故障し、親族の健康上の問題などもあって、9月からの第二期スタートは遅れていますが、ようやく新たなスポンサーも見つかって、シンガポールに新色ブレスレットも発注済み。クリスマスのチャリティーシーズンには、もう一度、「震災被災者はまだまだ支援が必要!」と訴えて、もう一度キャンペーンを張るつもりです。 シアトルの鈴木さん、私もがんばってますよ! 【やほい】すばらしい!微力ですが、私もキャンペーンのお手伝いさせて下さいね。 ■本件に関するお問い合わせ-----★★★栗田路子さん★★★ 「負けるな、ニッポン」チャリティ・ブレスレット・プロジェクト ポスターダウンロード海外事情に詳しい、海外在住のライター、メディア・コーディネーター、フォトグラファー、トランスレーター(通訳、アテンド)を探す、繋がるサイト